慶應義塾

第22回助成

ESMO Asia congress 2025(2025年12月5日~7日)(シンガポール)

私はシンガポールで開催されたESMO Asia Congress 2025にて、「Association between probiotics and the effectiveness of nivolumab in patients with advanced gastric cancer treated with proton pump inhibitors: A propensity score-matching」という演題でポスター発表を行いました。

近年、免疫チェックポイント阻害薬治療を受けるがん患者において併用薬が治療効果に及ぼす影響が注目されています。臨床現場では、プロトンポンプ阻害薬の併用により免疫チェックポイント阻害薬の有効性が減弱することが多数報告されています。そこで本研究では、プロトンポンプ阻害薬を併用している胃がん患者においてプロバイオティクス併用が免疫チェックポイント阻害薬の有効性に与える影響に着目しました。本学会への参加を通じて、自身の研究成果を海外の研究者に発信するとともに、がん治療の最新の知見や国際的な動向について理解を深めることができました。最後にはなりますが、本学会参加にあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心より御礼申し上げます。

(薬学部 薬学科6年/山口 未来望)

(薬学研究科 博士課程2年/小島 行人)

第64回 NMR討論会(2025年11月24日~29日)(沖縄科学技術大学院大学)

今回の学会はNMRを用いた新しい研究成果を共有することを目的としており、私と同様のタンパク質のNMRの研究だけでなく低分子の有機化合物や固体のNMRについての研究も多く報告されており、NMRを用いたさまざまな分野の最新の研究成果が紹介された。私はPPI阻害剤の結合ポーズをNMRを用いて推定する新しい手法を発表したが、さまざまな学会参加者に興味を持っていただいた。興味を持っていただいた方の中には製薬企業に勤めている方もおり、その方からは実際にご自身の創薬研究で利用してみたいとおっしゃっていただいた。他の方々からもさまざまなご意見を頂き、深いディスカッションをすることができた。また、私の発表は学会の評議員の方々から高く評価していただき、発表者全体の中で2位に当たる優秀発表賞を受賞することができた。加えて、学会のチュートリアルコースやポスター発表、口頭発表の際には学会に参加していた他大学の学生とも交流する機会もあった。学生との交流においては、お互いの研究内容について話をして研究室の外からの今まであまり考えてこなかったような意見をもらったが、学生からの意見は研究室の先生方のようなNMRの専門家とは違った視点のものも多かったため新たな刺激になった。最後に、このような有意義な学会に参加することができたのも佐藤製薬からの助成金の賜物であり、佐藤製薬に心からの感謝を申し上げる。

(薬学研究科 博士課程2年/小島 行人)

(薬学研究科 修士課程2年/榎本 翔太)

第64回 NMR討論会(2025年11月24日~29日)(沖縄科学技術大学院大学)

私は、沖縄県で開催された第64回NMR討論会(2025)に参加し、「14-3-3ζ interacts with DNA-binding domain of FOXO3a and competitively dissociates DNA by dual-motif tethering」という演題でポスター発表を行いました。がん細胞ではリン酸化シグナルが異常亢進し転写因子や翻訳因子が制御されることで、がん細胞の増殖につながります。このリン酸化シグナルで機能を抑制される転写因子の一つがFOXO3aです。FOXO3aはアポトーシス関連遺伝子の転写を活性化するがん抑制因子ですが、がん細胞においてリン酸化され14-3-3ζタンパク質と結合することで、DNAから解離して転写活性化能を失います。これまで、14-3-3ζの結合によりリン酸化FOXO3aがDNAから解離する機構は不明でした。そこで我々は、競合関係の定量解析とNMRでの相互作用解析により、14-3-3ζがDNAと直接競合し、DNAをほぼ完全に解離させることを解明しました。

本学会でのポスター発表を通して、NMRの専門家たちと議論することができただけでなく、研究内容を高く評価していただき最優秀若手ポスター賞を受賞することができました。また、学生間でもポスター発表や懇親会で交流することができ、大いに刺激を受けました。

最後にはなりますが、本学会に参加するにあたり、佐藤製薬株式会社様からの多大なるご支援を賜りましたことを、厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/榎本 翔太)

(薬学研究科 修士課程1年/古平 陽太郎)

Keystone Symposium on Immunometabolism Across Scales: From Cells to Systems to Healthspan(2026年1月11日~14日)(カナダ バンクーバー)

私は、2026年1月11日から1月14日(現地時間)にカナダ・バンクーバーで開催された「Keystone Symposium on Immunometabolism Across Scales: From Cells to Systems to Healthspan」に参加し、「Microbial metabolites promote neuroinflammation via activation of intestinal γδT17 cells」という演題でポスター発表を行いました。

本研究では、腸管の免疫監視を担うM細胞と、中枢神経系の自己免疫疾患である多発性硬化症との関わりを解析しました。M細胞を欠損したマウスでは実験的自己免疫性脳脊髄炎の発症が抑制されることを見出し、M細胞を介して取り込まれた特定の腸内細菌由来の代謝物が、腸管のIL-17産生性のγδT17細胞を活性化、維持している可能性を見出しました。本研究は「M細胞—腸内細菌—神経炎症」という新たな免疫軸を提示するものです。

学会では、免疫代謝分野の著名な海外研究者の方々と直接ディスカッションを行う貴重な機会に恵まれました。特に、腸管から遠隔組織への細胞移動や代謝物の作用機序について、世界トップレベルの視点から多くの助言をいただき、自身の研究の意義を再確認するとともに、今後の課題も明確になりました。

最後になりますが、本学会への参加に際し多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に、心より御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程1年/古平 陽太郎)

(薬学研究科 修士課程2年/田中 啓介)

Keystone Symposium Membrane Dynamics, Repair and Disease(2026年 2月 2日~5日)(アメリカ合衆国 コロラド州 キーストーン)

本学会では、主にオートファジーやリソソーム修復を制御する分子機構や、それらを標的とした神経変性疾患などへの新規治療法提案に関する最新の知見について議論が行われました。私は、細胞による大規模な液体取り込みであるマクロピノサイトーシスを制御する新たな分子として、Plekhs1を同定し、その機能解析についてポスター発表を行いました。私の発表内容は学会のメイントピックと少し異なっていたものの、脂質成分の変化による膜構造の制御、という点で共通しており、実際に専門家から極めて重要な指摘を頂くことができました。自身の専門から少し離れた分野の発表を、英語で聴講することには難しさもありましたが、積極的に議論に参加することで、最新の知見を豊富に吸収することができたと考えています。また、基礎的な知見を創薬研究に応用し、臨床試験まで進めている研究例を知ることができ、論文化に留まらず応用を見据える姿勢に刺激を受けました。

所属研究室においては個体レベルの生理学的解析が主に行われていますが、本学会では培養細胞をモデルとした本格的な細胞生物学に触れることができ、最新の知見を得るだけでなく解析手法についても学びを深めることができました。研究室で培ったバックグラウンドと、今回の経験を組み合わせることで、自身の研究の独自性の創出につなげたいと考えています。

この有意義な時間を得られたのは、佐藤製薬株式会社様のご支援を賜ったおかげです。ここに心より御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/田中 啓介)

佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

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